ストレス下の実験
今朝の日の出はとても綺麗でした。
いつも綺麗なのでしょうが、今朝はタイミングよく書斎の窓に居合わせました。
太陽が顔を出す3分くらい前から待ち構えていました。
地球はずっと回り続けているのですから、住んでいる人が、「1周回ってきた!」と感じる瞬間を目にしていることになります。
なぜかしら厳かな気持ちになりました。
運動しながら朝日をお迎えしたらどんな気持ちになるのか、一度試してみたいと思いました。
さて、今日から、ケリー・マクゴニガル氏の著書
は第2章に入っていきます。
テーマが
「ストレス反応を最大の味方にする」
です。
もくじ
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まず実験から紹介してあります。
珍しい実験
こんな実験です。
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実験
目的:心的外傷(トラウマ)を負った直後の患者たちの尿に含まれるストレスホルモンの量を調べることで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症しそうな人を予測することは可能かどうかを検証する(PTSD=PostTraumatic Stress Disorder)
- 1990年後半、アメリカオハイオ州アクロンにある病院の外傷センターで行われた
- 大きな自動車事故やバイク事故にあったばかりの人たちの尿を調べた
- 検査を受けた55名の患者のうち9名が、事故の1ヶ月後にPTSDと診断された
※これらの患者たちはフラッシュバック(心的外傷を受けた記憶が、突然、鮮明によみがえる現象)や悪夢に悩まされていた。そのため、事故を思い出すことはできるだけ避けようとして、運転をやめ、幹線道路にも近寄らず、事故の話をするのさえ嫌がった。
- 他の46名の患者にはそのようなひどい症状は見られなかった。
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PTSDを発症しなかった患者は、PTSDを発症した患者に比べて、尿中の
- コルチゾールとアドレナリンという二つのホルモンの数値が高かった
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前の模擬面接のストレス実験の時はコルチゾールとデヒドロエピアンドロステロンでしたね。
実験室ではない、大きな外的ショックの時に出るストレスホルモンは違うようです。
このように「ストレスを受ける」→「体内のシステムに変化が生じること」をストレス反応と呼ぶそうです。ケリー氏は本の中で
………………、「ストレス反応」は、状況に対処するために体内で起こる反応ですが、ストレス反応もストレスと同様に、良いものとは思われておらず、むしろ恐れられています。
ほとんどの人は、ストレス反応は害になると考え、最小限に抑えるべきだと思っていますが、実際にはそのような悪いものではありません。それどころか、ストレス反応は様々な点で、あなたが困難な状況にぶつかったときに最大の味方になります。ストレス反応は打破すべき敵どころか、いざという時の頼みの綱なのです。
と述べています。
実験の結果をまとめると、
ということになります。「強いストレス反応が起きた」と耳にするだけで、カラダに不調をきたすような、害があるように感じるのは私だけでしょうか。
しかし私の考えと結果はまったく逆です。PTSDにならずに済んだのは強いストレス反応が起きて、ストレスホルモンがたくさん出た人たちだったわけです。
実験の積み重ね
アクロンの外傷センターの実験の後、同様の実験が行われ、
- トラウマ体験をしたときに、カラダに強いストレス反応が起きた場合の方が長期的な回復で良い結果になる可能性が高いことがわかった
………………。実際、PTSDの予防や治療に、現在(2015年11月現在)最も効果が期待されている方法の一つは、ストレスホルモンの投与です。
驚きです。ストレスがかかって、しかも、強いショックを受けた人がストレス反応によって体内に出す「ストレスホルモン」を、外からさらに投与するということです。
実例が紹介されています。
- 精神医学専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・サイキアトリー」での報告では、2001年の飛行機テロ攻撃に遭遇し、PTSDを発症した50代男性が、ストレスホルモンの投与によって改善した
- この男性に1日10mgのコルチゾールを3ヶ月間投与した結果、PTSDの症状が減少し、テロ事件のことを思い出しても、以前ほど激しい恐怖や苦痛を感じなくなった
- 外傷外科手術を受ける患者たちにもストレスホルモンが投与されるようになった
リスクの高い心臓手術を受ける患者たちに、この方法を試したところ
- 集中治療の時間が短縮し、外傷性ストレス症状が最小限に抑えられた
- 術後6ヶ月後の患者の生活の質(QOL)が向上した
心理療法でも
- カウセリングの直前に患者にストレスホルモンを投与すると、不安症や恐怖症の治療効果が高まった
と述べられています。
私のマインドセットからすると不思議でなりません。ストレスホルモンがたくさん出た方が、大きな怪我や大きなショックに対して回復を早めるなんて。
今日はこの辺りまで。