Hayama Ranのブログ

読んでメリハリボディをつくる

ストレスの色々な反応2

さて今日もケリー・マクゴニガル私の著書を読み進めていきます。

 

 

前回は闘争・逃走反応でした。私自身よく考えると、滅多に起きるストレス反応ではありません。ただ、消防士の方々、警察官の方々は仕事上で頻繁に起きているかもしれません。このような方達は、仕事に生かすために柔道や剣道で日頃からトレーニングしているということなのだと思います。

 

もくじ

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今日はストレスがカラダに及ぼす影響の典型的な反応の、「チャレンジ反応」「思いやり・絆反応」について書いていきます。

 

チャレンジ反応

ストレスがあってもさほど危険ではない場合には、脳とカラダは「逃走・逃走反応」とは別の状態に切り替わるようです。

自覚症状で、逃走・逃走反応と違うのは恐怖を感じないことだと言います。

状態としては

  • 力が湧いてくる
  • プレッシャーのかかる状況でもやるべきことをやれるようになる
  • 心拍数が上昇
  • アドレナリンが急増
  • 筋肉と脳にはエネルギーがどんどん送り込まれ、気分を高揚させる脳内化学物質が急増する

となるようです。

 

分泌されるホルモンの割合が異なり、DHEA の割合が高くなるようです。(DHEA=でヒドロエピアンドロステロン 作用についてはリンク先を参照ください)

DHEAの割合が高いと

  • ストレスからの回復、ストレスの学習を助ける

ということが起きます。以前のブログで出てきた、成長指数(詳しくはリンク先を参照ください)が上昇して、ストレスホルモンの分泌割合では理想的な割合になります。

 

フローの状態(自分のやっていることに完全に没頭している望ましい状態)にある人は、この、チャレンジ反応の特徴が明確に表れるようです。

…………。アーティスト、アスリート、外科医、ゲーマー、ミュージシャンなどが、一心不乱にパォーマンスや仕事に取り組んでいるときには、ストレス反応の中でも「チャレンジ反応」が表れます。

 このような分野でもっとも優秀な人たちともなると、たとえプレッシャーのかかる場面でも、体の生理的な変化は強く表れないのではないか、と思う人が多いかもしれません。ところが実際には、「チャレンジ反応」が強く表れます。そのおかげで、精神的にも肉体的にも力が湧いてくるのです。その結果、寺院が強まり、集中力が高まり、最高のパフォーマンスを発揮することができます。

とケリー氏は語っています。

受験勉強や、大学のレポート、部活、新卒で会社に入って、幾度か経験があるような気がします。部活では、消極的になったことが多かったのですが、それでも「自分でもこんなに冷静に集中できるんだ!」と思ったことがありました。きっと、チャレンジ反応が起きていた時の自覚症状だったのだと思います。

 

 

さて、私が全く知らなかった反応が「思いやり・絆反応」です。皆さんは知ってましたか? 

思いやり・絆反応

ストレスに対してカラダが反応すると、多くの場合人とのつながりを求める気持ちが強くなるようです。

ストレスを感じると、他のストレスホルモン同様にオキシトシンというホルモンが分泌されます。

この本では、オキシトシンの3つの作用が書かれています。

一つ目は「人とのつながりを求める作用」です。

オキシトシンの役割は「愛の分子」「抱擁ホルモン」「ラブホルモン」とも呼ばれています。

分泌されるのはストレスを感じた時もですが、

  • 誰かと抱き合う
  • セックスをする
  • 授乳する

時にも分泌されます。ストレスを感じた時にも、親密な人と触れ合っている時にも分泌されるということですから、不思議です。

大量に分泌されると、

  • 誰かと触れ合う
  • メールを交わす
  • 一緒に飲みに行く

といったつながりを求める気持ちが強くなると言います。また、

  • 周りの人の考えていることや感情に気づき、理解する力が強まる
  • 思いやりを深め、直感を鋭くする効果がある
  • 大切な人たちへの信頼が深まり、相手の役に立ちたいという思いが強まる
  • 相手を思いやることで得られる心の温もりが一層強く感じられる

ということも起きるようです。人間にとって、とてもありがたいホルモンですね。

 

二つ目の作用は「勇気をもたらす」です。

オキシトシンの分泌によって

  • 脳の恐怖反応を鈍らせる
  • カラダが動かなくなったり、或いは逃げ出そうとしたりするのを防ぐ

勇敢さを引き出すホルモンということになりますね。

このホルモンはストレスを感じた時には他のホルモン同様分泌されるということです。もし、「今日の〇〇はストレスだった」と感じた時には分泌されているはずです。その時の自分の気持ちを振り返ると、心当たりのある反応が起きているのではないでしょうか。

 

そして、3つ目は「心臓を健康にする」です。

意外です。気持ちに作用するホルモンが心臓にも影響があるとは。しかもストレスがある状況で心臓を健康にするとは思いもよりませんでした。

心臓には

そして、オキシトシンが作用すると

  • 心臓細胞の再生
  • 微小損傷の修復

を行います。ケリー氏は力を込めてこう述べています。

…………、ストレスは心臓の強化に役立つのです。 よく一般的には「ストレスは心臓発作を引き起こす」と言われていますが、まさに正反対です!

 もちろんストレスによってアドレナリンが急増した場合には、心臓発作が起こる場合もありますが、全てのストレス反応が心臓にダメージを与えるわけではありません。

そして、こんな研究事例を紹介しています。

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実験用ラットを使って、ストレスが心臓発作に与える影響を調べる

 

  • ラットにストレスを与える

        ⬇︎その後

  • 実験用ラットに心臓発作を引き起こす薬品を投与する

        ⬇︎

  • 心臓が薬品のダメージから守られた

 

  • ラットにストレスを与える

        ⬇︎その後

        ⬇︎

  • ストレスが心臓を守る効果は表れなかった

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不思議ですね。ストレスを感じた時に、人と繋がる気持ちを湧かせるのと同時に心臓を強化するホルモンが分泌されるとは。人間の進化の神秘性につくづく感動します。

 

長くなりましたが、今度は、ストレスからの回復です。ストレスから回復する時カラダの中ではどうなっているのでしょうか。

ではまた、次のブログで。