ストレスマインドセット介入実験1
窓越しの光に暖かさを感じた午前中でした。
冬至を過ぎて太陽の高さが、少しずつ高くなっているからでしょう。
さて、
幾度となくこの本 ケリー・マクゴニガル氏が書いた
で登場している
コロンビア大学ビジネススクール行動研究所 心理学者アリア・クラム氏
がストレスマインドセットの効果を確かめる介入実験を行ったことがこの本に書かれています。
この実験がおこなわれたのは、実験室ではなく実際の職場です。
もくじ
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2008年の金融危機、リーマンショックの時に行われた実験です。
私のこれまでのキャリアに金融関係の仕事がありません。どんな苦労があったのか想像がつきません。ですが、実験の経緯を知ると想像できるかもしれません。
余談ですが、ウィキペディアによると
リーマン・ショックとは、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが2008年9月15日に経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的に呼ぶ日本における通称である。
と書かれています。世界標準では、「the 2008 financial crisis」と呼ぶのだそうです。
さて、人生に対してポジティブな考えを持っている人、そうでない人の調査結果を知りました。
そして、ストレスをかける実験も、
ストレスをかける実験前に、ストレスに対して肯定的なマインドセット、否定的なマインドセットをして、結果が異なることも知りました。
先の実験では考え方を途中から変えるようにアドバイスしていませんし、後の実験ではあくまでも実験室での結果です。
職場等でストレスを継続的に受けている人に介入したわけではありません。このような場合ストレスマインドセットは可能でしょうか。
過酷な実験の場
ケリー・マクゴニガル氏がこの本の中で紹介する
コロンビア大学ビジネススクール行動研究所 心理学者アリア・クラム氏は同僚たちと以下の実験を行いました。
背景
※UBS=スイス本社の世界最大の銀行
※2008年リーマンショック真っ只中の実験
※金融業界はストレスの多い職場として知られている
※ある研究によれば、金融業界に就職した人たちは、全員が10年以内に不眠症やアルコール依存症やうつ病など、燃え尽き症候群と関連のある症状を最低一つは発症することがわかっている
※リーマンショックでさらにプレッシャーが過酷になる
仕事のストレス
一時解雇の不安
極度の疲労
バーンアウトなど
の症状を訴える従業員が急増
※金融業界全体で不安症やうつ病や自殺が数多く報告された
このような背景の元、リーマンショックによって大打撃を受けたアメリカのUBSで実験が行われました。
UBSの状況は
※株価=58%下落
※大規模な一時解雇を実施
※従業員の給与を36%減額
という状況だったようです。
実験
この実験は、次の課題を持って行われました。
第1課題:ストレスについての人びとの考えを変えること(マインドセットの転換)は可能か
第2課題:マインドセットの転換は、そのほかの変化と関連があるか
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- 人事部がストレスマネジメント研修の参加を募集した
- 388名(男女半々、平均年齢38歳)が受講
- 参加者は、仕事量の増加、果てしない作業要求、将来に対する大きな不安に悩んでいた
- 3つのグループに振り分ける
- 第1グループ:164名 通常のストレスマネジメントのオンライン講座の受講(ストレスは本質的に悪いとする考えを強化するもの)させた
- 第2グループ:163名 ストレスについてポジティブに考えるためのオンライン講座を受講させた
- 第3グループ:61名 オンライン講座は受講させなかった
※第2グループがマインドセット介入グループ
※第3グループは対照グループ
- オンライン講座を受けた第1グループ、第2グループの参加者には受講前と受講後にアンケート調査を行う
⬇︎実験開始
第1グループ 3つの動画(各3分)を見る
- 動画内容「ストレスはアメリカでもっと多い健康問題です」「ストレスは6つの主要な死因と関連があります」といった統計データを示し、「ストレスは気分変動、情緒的消耗感、記憶障害などの症状を引き起こす恐れがあります」と警告する
- さらに、ストレスのせいで業績が落ちたリーダーたちの例を紹介する
第2グループ 3つの動画(各3分)を見る
- 動画内容「ストレスは体の回復を向上させ、集中力を高め、人との結びつきを強め、個人の価値観を強化するのに役立ちます」と説明する
- さらに、困難な状況をたくましく乗り越えた企業や、大きなストレスを抱えながらも見事な業績を挙げた人々を紹介する
⬇︎結果
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さて、どういう結果になったのか。
今日は実験の説明が長くなり、私の感想が少ないですね。言葉が足りずすみません。
結果まで書くと長くなりそうなので続きはまた明日。