グリーンエクササイズ 1
グリーンエネルギー、グリーン水素、…グリーンという言葉のついた言葉が生まれています。
運動でも同様に「グリーンエクササイズ」と呼ばれるものがあります。
さて、どういった運動でしょう。
ケリー・マクゴニガル氏の著書
で初めて聞く「グリーンエクササイズ」とはどういうものでしょうか。
もくじ
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グリーンエクササイズ
グリーンと名前がつくとCO₂を削減するイメージがありますが、運動ではどうでしょう。
グリーンエクササイズとは実はCO₂とは関係なく、素直に「緑の中での運動」と解釈すればいいと思います。心理学ではそう呼ばれているようです。
運動はどんなものでも構わないようです。
- ラジオ体操
- ヨガ
- ジョギング
- ウォーキング
- 筋トレ
- 各種スポーツ
芝生の上、
林の中、
緑の見える公園の中で体を動かす。
それがグリーンエクササイズと呼ばれるものです。
天気のよい週末に、木や芝に直接触れることを考えると何かうきうきしてくるのは私だけでしょうか。
効用
ケリー氏は
…、屋外で体を動かし始めて5分もすると、気分が明るくなり、楽観的になることがわかっている。
重要なのは、たんに気分がよくなるだけでなく、日常生活の悩み事から離れて、生命のつながりを強く感じることだ。散歩をすると体内時計のペースが遅くなり、時間が長くなったような感じがする。
植物の豊富な環境にいるだけでも、じぶんの生き方をよく見つめられるようになる。また、美しい自然の中で過ごした時間を思い出すだけでも、「まわりの世界とのつながりを感じる」「日常の心配事から解放された気分だ」「自分より大きなものの存在を感じる」といった感想を述べる人が多い。
屋外で過ごすのは、苛立った気分を穏やかにする効果もある。驚き、畏怖(いふ)、好奇心、希望など、私たちが自然のなかで過ごすときに湧いてくる感情は、心配や注意散漫、気分の落ち込みなどに対する天然の解毒剤なのだ。
と述べています。
今夏、リモートワークという言葉やワーキングスタイルが一般的になり、キャンプ場で密にならずに一人で仕事する人もいました。
社内と屋外の緑のみえる所で比べると、野外での判断のほうが何となく、公平に、正しく、将来のことまで考えた判断ができそうな気がします。
確かに、スマホの呼び出し音が全く似合わない空間に入り込んで、散歩やジョギングをすると頭を抱えていたまとまらない文章がすっとまとまることがあります。
人が、家の周りに緑を植えたり、室内に観葉植物を置いたり、「グリーン」を求めてやまないのは、ちゃんと理由があったんですね。
私は、山奥で育ったため、家の外から、通学路、緑だらけの地で育ちました。大学を卒業して一人暮らしの時には、自分の部屋に緑(観葉植物)が欲しいと思ったことは全くありませんでした。30年余りたった今、以前の会社にいる際にお客様からいただいた胡蝶蘭が部屋の棚に6株あります。2、3日おきに霧吹きで葉に水をかけてあげています。葉っぱが少しずつ大きくなったり、花を咲かせると愛おしくなります。
緑のある通学路を1時間かけて通っていた小学生の時に比べると、緑の中にいる時間が少ないことが、胡蝶蘭への興味につながったのだと思います。
一人暮らしで自分の部屋に緑のものがない、という人は、花屋さんでスペースや手間のことを相談してみてください。世話をしやすい観葉植物を紹介してくれると思います。そばに緑があるだけでも気分を穏やかにする効果があるとのことですから、試してみてはどうでしょうか。
韓国の例
韓国のソウルでは、うつ病の治療を受けている患者が次のようなグリーンエクササイズを行いました。
- 1回/週の認知行動療法のセラピーを受ける前に、洪陵(ほんすん)樹木園で散歩
- 洪陵樹木園は木々や高原植物が豊富
⇩1か月後
- 洪陵樹木園を散歩した患者たちの61%は寛解状態に入っていた
※寛解(かんかい)=病気そのものは完全に治癒していないが、
症状が一時的あるいは永続的に軽減または消失すること
(広辞苑)
- 散歩をしないでセラピーだけを受けた患者が寛解したのはその1/3だった。
オーストリアの例
…、オーストリアのある研究では、自殺未遂をした患者たちに対する通常の治療に、山でのハイキングを加えた場合は、自殺念慮(=自殺したいという思い)や絶望感が緩和されることが分かった。
病気でもグリーンエクササイズが応用されているようですね。
ジムに通っている人は、週に1回はグリーンエクササイズを行って、ランナーズハイとは違った気持ちの切り替えをしてみてはどうでしょうか。ランナーズハイは少しきつめの運動で感じることができるものですが、グリーンエクササイズでは運動強度にかかわらず、いい気分になります。
今から運動習慣を始めるという方には、量や強度をあまり考えずに取り組めるグリーンエクササイズはもっとも始めやすい運動ではないでしょうか。
寒くなってきました。
ウォーキング、ジョギングなどは寒いまま歩くのではなく、防寒対策をばっちり決めて取り組んでくださいね。
それではまた、明日のブログで。
※昨日はさぼってしまいました。