もう一つのデフォルト・モード・ネットワーク
頭痛のため、1日空いてしまいました。
回復しましたので本日再開です。
もくじ
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さて、デフォルト・モードー何もしていないとき脳が脳内のいろいろなところと連絡を忙しく取り合っているーの時、あれこれマイナス思考になりがちということを一昨日書きました。
そして、グリーンエクササイズを行うと、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)を不活性化させることが分かっています。
グリーンエクササイズによって、
- 自然の心地よい刺激で五感が満たされる
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- 意識が外側に向けられる
⇩
- 頭の中での言葉の交錯が中断される
⇩
- 身の回りの自然や世界に対する好奇心、感謝の気持ちがわいてくる
ということが起きるようです。
ケリー・マクゴニガルの著書
では、緑ー自然の中で過ごすことーが脳に及ぼす影響の根源は進化の過程で得たものであろうと述べています。
二つの必要性
この本の中で、ケリー氏は進化的起源を研究している心理学者アレクサンドラ・ロサティの指摘を書いています。
- 脳は二つの必要性によって発達
一つは、
- 少人数の集団内で協力する必要に迫られた
・ほかの人のことを考える社会的認知能力が発達した
・よって、私たちは他人との関係性や集団の立場によって自分
自身がどのような人間であるかを定義しようとする
もう一つは、
- 食料を見つけるために自然環境に順応する必要性に迫られた
※人間が食料を獲得するために修得した技術を「狩猟採集認知
力」という
・狩猟採集認知力が強化された
空間能力が著しく発達した
意識が開かれて周囲の可能性に気付くようになった
食料を探し続ける忍耐力が備わった
・肉体的に変化した
脚が長くなった
臀筋(でんきん:おしりの筋肉)がたくましくなった
脳は、人間の進化の根源をたどると、社会性と自然への興味という2面性をもって発達してきたということでしょうか。
協力し合って集団で役割分担して、努力して生き延びてきて、また、自然に興味をもって、食料となる木の実や隠れている獲物を手に入れることを喜びとして生き延びてきたということですね。
ケリー氏の見解
ケリー氏は次のように述べています。
原始人たちにとって、自然の中を探し回って食料を見つけることは、食料を分け合うことと同じように、生き残るためには重要だった。人間の脳は互いに助け合うためだけでなく、自然との触れ合いを求めるように発達したはずだ。
おそらく、私たちの置かれた状況次第で、脳がどちらかのデフォルト状態になるかが決まるのだろう。自然との触れ合いに欠けた生活をしている人は、意識が自分の内面に向いたデフォルト状態しか知らないことになる。ほとんどの時間を屋内で過ごすだけでなく、ソーシャルメディアに費やしていると、私たちの脳は社会的認知に偏りがちになり、反芻が多くなってしまう。屋外で過ごす時間を定期的に持たないと、意識が外側に開かれた、もう一つのデフォルト状態になれなくなってしまうのだ。
自然と再びふれあうことで、私たちは人間らしい一面を取り戻すことができる。だからこそ、人びとはグリーン・エクササイズに大きな魅力を感じるのだろう。自然の中では、社会的な役割や、他人との関係や、過去によって定義された自分ではない、新しい自分にあえる可能性があるからだ。…………
ケリー氏は、だれでも起きるデフォルト・モード(マイナス思考になりがちな状態)は社会認知を高めるモード、と述べているようです。
反対に自然にふれあうことに喜びを感じると同時に、デフォルト・モードを不活性化する(沈静化する)モードがあると言っているわけです。また、周囲の自然に意識が開かれ、好奇心や希望が湧いてくるとも述べられています。
残念ながらこの通常のデフォルト・モードと反対のモードに名称がつけられていません。
私が勝手につけるなら「グリーン・モード」とか「ネイチャー・モード」になるでしょうか。
このブログを読んでいるあなたのモードは切り換えられているでしょうか。
- 会社に緑いっぱいの中庭がある
- 家には緑がたくさんある
- 通勤で緑の多い歩道をよく歩く
- 昼食を買いに行く途中で緑がある
- 週末は山登りをしている
などがあれば立派にグリーンエクササイズをおこなっていて、定期的に「ネイチャーモード」への切り替えができていると思っていいでしょう。
緑に触れる機会がほとんどないというあなたは、天気がいい日には、デフォルト・モードを沈静化させることはもとより、自然へ意識が開かれ、好奇心や希望が湧き出てくる「ネイチャー・モード」に切り替えてみませんか。
近くの緑のある公園を散歩したり、公園のベンチで深呼吸したり、車で遠出して緑の多い公園や登山道を歩いてみる、というのもいいですね。
きっと新しい自分の発見が待っていると思います。
続きは、また明日のブログで。