マイオカイン 3
マイオカイン(筋肉から分泌されるホルモン。別名「運動ホルモン」)について、極論といえるユーコン・アークテック・ウルトラまで、話が広がって、とても興味が深まりました。
ここまで、ケリー・マクゴニガル著書、
をご案内してきましたが、あと2-3回でこの著書のブログは終わりそうです。
最後まで読んでいただけるとありがたいです。
もくじ
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運動しているときに、筋肉から血液中に分泌されるマイオカイン、何種類ぐらいあるのでしょうか。
35
2018年のある科学論文では、1時間のサイクリング中に大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)から分泌されるマイオカインは35種類もあることが分かったと、この本に記述があります。
もしかしたら、近い将来、他の部位の筋肉では、違ったマイオカインが分泌されていたり、新しい役目のマイオカインが発見されたりするかもしれません。
昨日取り上げた、イリシンは、分泌される量が特に多いものだったようです。
マイオカインには他の作用のものもあります。
- 筋肉の増強に役立つもの
- 血糖値の調節に役立つもの
- 炎症の緩和
- がん細胞の破壊
科学者の方たちは長期の運動習慣がもたらす、長期にわたる健康はこれらの有益なマイオカインの影響によるものと考えているようです。
メンタルヘルスに強力な効果
いろいろな病気に対しての予防効果が、研究されて分かってきているようですが、特に心の健康や病気に強力に効果が表れているようです。
- 脳細胞の健康を守る、脳が新生神経細胞を生み出すのを助ける:血管内皮増殖因子(VEGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)
※この二つのマイオカインは当初脳内でしか賛成されないと考え
られていたためこのような名称がつけられている
を含むいろいろな病気につながる。薬物中毒になると、副作用
としてドーパミン細胞の破壊が進んでいく。運動によって
GDNFこれらの症状を予防し、進行を遅らせ、あるいは改善す
る効果がある。
- その他のマイオカイン
・脳の炎症を抑える
神経疾患の予防や、うつ病や不安症の症状の緩和につながる
・神経毒性物質の無毒化
慢性ストレスによる神経毒性物質の代謝を促し、神経毒性物
質が脳に到達する前に、血中で無害な物質に変える
カラダを動かすことと精神面
以上のことから推測すると、繰り返しになりますが、カラダを動かすことと、精神面が深くかかわっていることが分かります。
この本の話題を書き始めた最初の方で、原始時代に気象変動によって平原が広がり、食物を求めて移動距離が長くなったこと、子孫を残すために近しい仲間での協力が必要だったことが分かったことを書きました。
人間は原始時代に
長距離を移動することで快感が得られる
緑の中へ入っていき「ここに食べ物があるかもしれない」という報酬期待、
苦労協力して狩猟採集することへの喜び、
得た食糧を分かち合う喜び、
これらのことを筋肉や脳で身につけてきました。
100万年以上かけて作られてきた私たちの脳と筋肉が、どうやって現代にいたっているかという答えの一つを深く理解できた気がします。
半面、このような喜びを味わう機会が少ない場合には、不安症やうつ病になりやすいこともわかりました。
私の運動も今年の8月からは自宅周辺の緑の多い公園だったり、ちょっと遠出をして自転車で市民の森へ出かける運動となっています。
緑豊かな宮崎の山間の小さな集落生まれだったこともあると思いますが、 緑の葉の樹木や紅葉を迎えた木々を目に入れながらの運動は、見ているだけでも気持ちが癒されますが、多少くたびれはするものの、「もう少し頑張ろう」とか、「次は、こうしよう」などと前向きなチャレンジ心が湧いてきます。
ジム通いをする方は、1週間に1回は木や芝のある公園を散歩するなどのグリーンエクササイズを取り入れて、人間本来の喜びのある生活を取り入れてもらいたいです。また、いつもそういった場所を散歩やジョギングしている方は、その効用を理解して、手放さないでいただきたいと思います。