Hayama Ranのブログ

読んでメリハリボディをつくる

不安症

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近所の公園の紅葉

ケリー・マクゴニガル氏の著書、

 

 では、

うつや不安症と

運動の関係についての記述がたくさんあります。

 

うつ不安症と解説するつもりはないのですが、

不安症について少しだけ詳しく書いてあるところがありましたので、紹介しておきます。

 

ケリー氏は、

 私の脳は災難を予期しやすく、動揺しやすい。私の心理的傾向について、遺伝子による設定値があるとすればどのあたりだろうと考えると、おそらく「厳戒態勢」と「極度の恐怖の」中間あたりだろう。

 慢性的な不安が起こる理由としては、私と同じような人びとの場合、脳の恐怖神経回路が過活動状態になりやすいことがあげられる。具体的なことで心配になるのではなく、「何か変だ、何か変だ」という警告がつねに聞こえてくるような状態だ。

 恐怖神経回路が過活動になると、漠然とした不安が生じるため、脳は原因を突き止めようとして、あれこれと想像をめぐらしてしまう。私の脳も実際にそのような状態なのか確信はないが 、自分の状態を観察するとよく似ている。そしてまちがいなく、運動は私が出会った最強の武器となっている。

と自身も不安症の傾向があることをこの本の中で書いています。

 

ケリー氏は 、スポーツに関しては不器用で、体育で評価される運動能力はかなり低かったようです。しかし、小学校3年生の時、お母さんが買ってきたホームエクササイズ用のビデオテープ(エアロビックダンス)にはまってしまいました。

体育やスポーツで求められるスキルとは全く違っていて、

  • 音楽に合わせて動く能力
  • 他の人の動きをまねする能力

が必要な運動があることをこの時初めて知ったようです。

「自重トレーニングやダンスエアロビクスが、競技スポーツでは決して目覚めなかった私の身体能力を開花させてくれた」といいます。

…。運動能力に恵まれず、両親ともに運動もスポーツもしない家庭で育ったのに、私の脳が対処法を見つけてくれたのは幸運なことだった。私はいわゆるスーパーランナーではないがこの研究のおかげで、動くために生まれた人にもさまざまなタイプが存在することに気づいた。私の毎日の運動習慣は、気分が落ち着くよりも元気が出る効果があり、まさに不安症の治療法に最適なのだ。私は活動的に過ごしているほうが、よりよい自分になれるから、運動に夢中になれて心から感謝している。

 

勝つ、負ける、筋力の強弱、速い、遅い等の優劣が色濃く出るスポーツや運動と

音楽に合わせて動く能力、他の人の動きをまねする能力が必要な運動とに分けると、あなたはどちらが自分に合ってそうですか?

 

筋肉や骨を丈夫にしておくことも大事だし、自分を快活にしておくことも大事です。まずは自分を快活にしてくれる運動から取り組んでいくことが運動を長続きさせていくコツだと思います。

 

ちなみに、不安や抑うつ的反芻(よくうつてきはんすう=同じことをくよくよと考え続けること)は運動を1回しただけでも直ちに緩和されることがわかっているとのこと。

…、その効果は定期的な運動によってさらに顕著になる。

2017年の運動介入研究のメタアナリシスでは、運動は不安障害の有効な治療法となることが明らかになった。

 

ラットを使った実験でこのようなものがあるようです。

  • ラットたちを21日間走らせた

     ⇩結果

  • 恐怖反応やストレス反応をつかさどる脳幹と前頭前皮質に変化が表れた=より勇敢になり、ストレスの多い状況にもうまく対応できるようになった

人間では

  • 3回/週の運動を6週間続ける

     ⇩結果

  • 不安を軽減する脳の領域の神経結合が増える
  • 闘争・逃走反応や恐怖反応が起こりにくくなる

ということがわかっているようです。

 

不安が軽減されるということは、別の見方をすると勇敢になるということでもあるようです。

以前歌の発表会で、歌詞を間違えたり、思い出せなかったりしたことがありました。緊張していたせいです。「忘れて言葉が出なかったらどうしよう」と想像して、不安になったからでしょう。

今考えると、歌う前に、スクワットや腕立て伏せをしていたら歌詞を忘れなかったのかもしれないと悔みます。

これからそのような機会がある人はぜひ試してみてください。(試した結果をコメントくだされば励みになります!)

 

これも初めて知りましたが、

…、最新の研究は乳酸のメンタルヘルスに対する効果を示唆している。筋肉から分泌された乳酸は、体内の血管をめぐって脳にたどり着き、神経系統に作用して不安を緩和したり、うつ病を予防したりする効果があるのだ。

とケリー氏は述べています。

 

なるほど、乳酸にも不安を緩和する効果があるのには納得します。

 

トーナメント戦のバスケットボールの第1試合前にウォーミングアップをするとき、脚に軽度の疲れが出るまでアップ→5分から10分くらいシュートや軽いフットワークをすると、緊張が一気に取れていました。

ボディビルの大会では、別の意味(=筋肉を一時的に太くするため)でカラダの各部位に乳酸を発生させます。道理で、ステージ上の選手に自信がみなぎっているわけです。

 

週に何度も運動する人から、月に1回運動する人まで、いずれの場合も、不安を軽減したり、うつ様の症状を軽減することができるようです。不安を感じて緊張が強いられるような状況が予測される場合に、乳酸がたまるような運動(スクワット、腕立て伏せ、3階くらいまでの階段を休まずのぼるなど)をするのも緊張緩和の方法の一つです。

 

カラダと脳の関係って面白いですね。理解を深め、運動のとらえ方を広げていって、今行っている運動に深みを持たせましょう。

 

本日はこの辺で。