Hayama Ranのブログ

読んでメリハリボディをつくる

運動に関するある実験

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方向性を示せる人間でありたい

運動に関する実験は人間で行うものばかりと思っていましたが、マウスやラットで行われていることをこの本

 

 で知りました。

そしてたくさんの実験の記述があります。興味を惹かれます。今日はこの実験を紹介します。

 

もくじ

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スーパーランナー

1993年生物学者のセオドア・ガーランド・ジュニア氏は、運動のやる気を高める薬を開発するため、マウスの選択育種実験を行いました。

 

どのような実験かというと、

普通のマウスより多くの距離を走るマウスを何世代もかけて作り出す実験です。

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第1世代

  • 平均で4km/日走った
  • 平均以上の距離を走るマウスだけを選択して繁殖させた

第15世代

  • 15km/日走るようになった(人に換算すると180㎝の男性だと270km/日の走行距離に相当)

第29世代

  • スーパーランナーと呼んだ
  • 走る距離はさらに伸びた
  • 速度がさらに上がった
  • 頻度もさらに上がった
  • ほとんど休憩を取らなかった
  • ランニングホイールを回らないようにすると、いら立って、動かないホイールの上で走ろうとしてもがいた

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結果的にガーランド氏の実験は成功しました。

世代が進むにつれ

  • 大腿骨の左右の均整がとれた
  • 筋細胞のエネルギー効率が向上した

という変化が起きていました。 

 

 

最初の世代から70倍以上もの距離を走り続けるマウスは、確実に骨格や筋肉を前の世代から受け継いで、走ることに適したマウスが出来上がったわけです。

そして、この実験の様子からするとマウスはは喜んで走っています。

「気持ちいい」と感じて走っていることは間違いなさそうです。

 

進化したのは…

いちばん変わっていたのは、筋肉や骨格だけだったでしょうか。

実は、スーパーランナーと普通のマウスで一番違っていたのは実は脳の報酬系でした。

  • 中脳を比較するとスーパーランナーのほうが物理的に大きかった

  =報酬系も大きい

  • スーパーランナーはすぐに走るのに夢中になった

  =運動量が少ないうちから中毒の分子スイッチがオンになる

マウスのカラダの特徴の変化は何世代も後になって変化が出てきていることから、脳が運動を楽しむことを覚えて、脳自体が変化(進化)していって、その脳の変化にカラダが追いついたという結論のようです。

 

人間は…

 200万年前頃から、気候変動により狩猟範囲が急拡大した原始人は樹上生活から地上生活へ、そして「ランニング」生活をして、狩猟範囲を広げ食料を獲得しながら生き延びてきたことがこの本に記されています。

人間はスーパーランナーにならなければ生きていけなかった、スーパーランナーになれなかった人間は死に絶えた、ということになります。

私たちはスーパーランナーの遺伝子を持っている証拠として、

  • ランナーズハイという運動に夢中になれる能力を持っている
  • 運動で気分がよくなったり周りの人と社会性を持つことに喜びを感じる

などがあげられます。

 

「今すぐ走りましょう!」とか「今すぐ運動を始めましょう!」と言っているわけではありません。

まずは、自分がどんな人間かーどんな遺伝子を持った人間か、どんな素質を受け継いだ人間かーを知って、知ったことによって生まれてくる自分の感情に気づいてみてください。

何か月後か、何年後か、やってみたいことや、取り組みたいことが、自然に頭に浮かんで来たらチャレンジしてみたらいいと思います。

 

特定健診などで運動をすすめられた人は、取り組みが急務ですが、自分が「スーパーランナー」の末裔であることを知って始める、また、ランニングハイを体験してみる、などと考えると少しハードルが下がるのではないかと思います。

 

今日はこの辺りまで。ではまた明日。