参考までに…
昨日ハヅァ族とアメリカ人の健康データの比較のことを書きました。
ケリー・マクゴニガル氏がハヅァ族について述べているところに散発的にデータを示していましたので、整理してみました。
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参考までに昨日のブログで示したハヅァ族の活動データを最初に示しておきます。
ハヅァ族のデータ
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ハヅァ族
男性19名
女性27名
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- ランニングなどの中強度から高強度の運動を2時間
- ウォーキングなどの低強度の運動を数時間
行っていた
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アメリカの研究
平均的な成人の中~高強度の運動時間 10分未満
活動量のピーク 6歳未満
加速度計を用いたアメリカの研究
気分
座りっぱなし > 活発に動いている
人生の満足度
活動的に過ごした日 > 活動的ではなかった日
アメリカとイギリスの研究
中強度の運動をしている成人
一定の期間座っている時間の多い生活をしてもらい健康状態が悪
化するかどうかを観察
2週間ほとんど座りっぱなしの生活をした
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不安や敵愾心(=てきがいしん:相手に対する憤りや憎しみから発
する強い闘争心-広辞苑)が強まった
無作為に選んだ成人
1日の歩数を減らした
⇩
88%の人たち気分の落ち込みがみられた
1週間もしないうちに
人生の満足度 31%低下した
その他の研究
- 毎日の平均歩数 5,649歩を下回ると不安や気分の落ち込みなどの症状が現れ、人生の満足度が低下
※アメリカ人の1日の歩数 =4,774歩
※世界の平均歩数 =4,961歩
ちなみに日本では 男性8,202歩、女性7,282歩(平成9年度国民栄養調査)
まとめ
このデータを見て何か感じましたか?
結果を見ると、今から運動を始める人にとって、必ずしもランナーズハイが起きるほど強度が高い運動をする必要はないようです。
ジョギングで息をあげればもちろん「ランナーズハイ」が起きて、ハイな気分になったり、家族や仲間を大切にする気持ちが起きますが、
自然の中、アウトドアで行う「グリーンエクササイズ」でも、
何人かでウォーキングをしたり、
仲間で何かのスポーツの大会に参加したりでも
※息が上がるような中強度の運動でなくても
内因性カンナビノイド(2020/11/25、2020/11/26のブログ参照)が分泌され、幸福感や社交不安の緩和が起きることがわかっています。
今ご紹介している「人生を変える運動の科学 ケリー・マクゴニガル著」
にこんな記述があります。
そして体をよく動かす人ほど感じる喜びは大きくなる。なぜなら、定期的な運動によって脳の構造は変化するが、その一つとして内因性カンナビノイドの結合部位が増大するからだ。すると、内因性カンナビノイド系を活性化する快感に対して、脳がさらに敏感になるため、さらに喜びを感じやすくなる。その快感にはランナーズハイも含まれているのだ。運動をすればするほど楽しくなることも、これで説明がつくだろう。
しかも、その喜びには、分かち合い、協力、遊び、絆の形成など、社会的な喜びも含まれている。このように定期的な運動には、人のつながりを感じやすくする効果があるようだ。相手が家族や友人であれ、知らない人であれ、自分から積極的に交流を図り、仲良くなって、親睦を深めたいと思うようになる。
「内因性カンナビノイドにさらに脳が敏感になる」ということは、少しの分泌で、喜びや仲間意識が強くなるということだし、同じ量の分泌でも、さらに喜びや仲間意識が強くなるということになりますね。継続した、定期的な運動で脳がだんだん喜びや社交性を持っていくというのは、理想的ではないでしょうか。
高齢者や、不安症、うつ症状を持った方々への運動のもたらす影響の研究が進んで、社会で実践が進めば何か幸せな社会が実現しそうで、わくわくしてきます。
私が働いていたジムでは、すでに運動習慣を持っていらっしゃる方やかつて運動習慣を持っていらっしゃった方も入会の問い合わせに来られていました。
明るい方が多いと感じたのも、その方々が運動習慣によって知らない間に手に入れた社交性を持っていたからかもしれない、といまさらながらつくづく思います。
今日はこの辺で。続きはまた明日のブログで。
昨日は、自宅のWi-Fiの故障で投稿できませんでした。失礼しました。