内因性カンナビノイド
内因性カンナビノイドがランナーズハイに影響を与えていたことが昨日のブログでわかりました。
中強度の継続した運動をした時、頭の中で分泌されることもわかりました。
運動はなんでも良く、少しきつめの運動を20分以上すると分泌されます。
運動の指導の仕方、また、始め方として
「脂肪燃焼のため有酸素運動をする」
という見方も有りますが、
「(ランナーズハイを手に入れて、)気分を変えたり、心にゆとりをもったり、今日あった嫌なことが大したことなく感じたりするため」
と捉えてもよさそうです。
なにより「ちょっときつめ」な訳ですから、ラクラクのエアロバイクやラクラクのウォーキングよりずっとカロリーを消費します。
※ウォーキングでは分泌されないとしましたが、登りくだりがあるコースを腕を大きく振って、息が上がりキツさを感じるようなウォーキングをすれば分泌されるはずです。
さて、この「内因性カンナビノイド」を理解するための情報がケリー氏の著書で紹介されています。
・内因性カンナビノイドを阻害したら人ではどうなるか
・動物ではどうなるか
分泌されたら起こることと反対の状態を理解するとより一層理解が深まると思います。
内因性カンナビノイドを阻害するとどうなる
―人間編
内因性カンナビノイドを阻害する抗肥満薬がかつて販売されていたようです。つまり肥満の人が体重を落とす薬ということですね。
薬の名前は「リモナバン」。食欲を抑える効果があります。食欲を抑えて、肥満の人を治療しようとした薬です。
リモナバンの臨床試験結果:
・不安症の発症 急増
・うつ病の発症 急増
・4件の自殺
となり、精神面への悪影響が広範で深刻だったため、販売禁止になったとか。
リモナバンは販売禁止となっていますので手に入れることはできませんが、成分が自分でよくわからなくてもサプリメントが簡単に手に入る時代です。購入するのは構いませんが、成分をしっかり把握しておきたいですね。
内因性カンナビノイドを阻害するとどうなる
―マウス編
リモナバンを
に投与した実験があります。
ランニングホイールで走るのが好きなマウスに対してリモナバンを投与
・運動量の激減
※通常マウスは新しい環境を恐れる
※熱いプレートの上に載せられるとジャンプしたり、後ろ脚をなめたりして不快感を示す行動をする
※ランニングホイールで走った後、暗い箱の中で怖がったり、熱いプレートの上で不快な行動をあまりしなくなる
マウスに走る前リモナバン同様の薬を注射すると
ホイールで走らなかったマウスと同様に
・暗い箱の中を怖がった
・プレートを熱がった
内因性カンナビノイドの効果として、
・不安の緩和
・疼痛耐性(痛みへの抵抗力)を高める
ことから、人、マウス両方の実験でランナーズハイは内因性カンナビノイドの作用を実証したようです。
内因性カンナビノイドのもう一つの効果
・不安が緩和される
・痛みに対して抵抗力が増す
という、内因性カンナビノイドの効果。
もう一つ効果があることが知られています。
それは、
人とのつながりを感じやすくなる効果
・人と一緒にいることが楽しくなる
・交流の妨げとなる社交不安が緩和される
とのこと。
一昨日のサイクリングの目的地の公園で見たサッカーをして遊ぶ家族や、ジョギングをしている高齢の女性に対して、私が持った感情も納得できます。
に内因性カンナビノイド阻害薬を投与すると
・仲間との交流に興味を示さなくなる
ラットより小型のマウスで同様の実験をすると
・母親が生まれたばかりの子供を育児放棄したりする
内因性カンナビノイドは動物でも人間でも社会性を高める効果を持っていることがわかりますね。
社会性を高める効果、これは狩猟採集時代に自然と出来上がったようです。
自分自身が生き延びるだけでなく、家族や集落が生き延びるためには、みんなの収穫物を集めて上手に分かち合う必要があったわけです。
分かち合うことに悦びや興奮を覚えることが、マウスから犬、人間まで生きていくために必要可決なこととしてDNAに刻み込まれたということでしょう。
分かち合いが上手な集団、種が生き延びて現在に至っているわけです。
人が、気候が変動する中生き延びてきた特徴として
・持久性を持ったからだ
・アイコンタクトによるコミュニケーションが容易な目
※人間の白目が大きいのはコミュニケーションを容易にするため
とこの本には書かれています。
・協力によって喜びや興奮を感じる
がこの本で挙げられています。
まとめ
・ランナーズハイは走った時だけではなく、持久系の少しきつい運動を20分以上行うと気分がよくなる状態
・ランナーズハイは内因性カンナビノイドの血中濃度が高くなることでおきている
・ランナーズハイは自分の気分がよくなるばかりではなく、人と一緒にいることが楽しくなったり、社交不安を緩和してくれる
・人と一緒にいることが楽しくなることは、原始時代の食べ物の分かち合いで生き延びてきたこととかかわりがある
ということがわかりました。
人間のカラダと心、つながっていることを改めて認識しました。
人と人とのつながりも昔から大事だったし、これからも変わりなく大事に受け継がれていくことでしょう。
つながっていないと現代まで生き延びてこれなかったわけですから。
コロナで人との距離を疎にする、現在の状況ですが、つながり、きずな、助け合いが生きていくうえで欠かせないことは忘れないように心に留めおきたいですね。
さて、読み込んでいくと、
内因性カンナビノイドは持久系の運動をした時だけ出るのかと思ったら、そうではありませんでした。
続きは、また明日のブログで。
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