「する」と「しない」を決める
今日は私の指導経験に基く話です。
筋トレの後の有酸素運動。有酸素運動するよりずっと脂肪燃焼効果が高いと言われています。
フィットネスに取り組み始めたばかりの方に
その話を伝えると、半分の方が
「有酸素運動ってきついから嫌いなんだよね」
「昔から長距離が苦手なんだよね」
「20分以上しないと脂肪って燃えないんでしょ」
と返ってきます。「有酸素運動」とネットで調べると「20分以上しましょう」って書いている記事がたくさん出てきます。
「20分」と聞いただけで嫌になった人いませんか。
嫌になる気持ちは尊重します。
少しだけ落ち着いて、好きか嫌いかの前に
「体力づくり」として「有酸素運動」を見てみましょう。
有酸素運動能力が高くなると…
・地下鉄の階段、近所の上り坂で息切れしにくくなる。有酸素運動を始める前よ
り早く登れるようになる。
・有酸素運動継続以前より長い距離の移動(自転車、歩行、泳ぐ距離など)ができ
るようになる
・有酸素運動を習慣化すると、長い距離移動できるようになるばかりか距離に対
してかかる時間が短くなる(例:「4kmの歩行に60分かかっていたのが40分にな
った。」または「60分で6km歩けるようになった。」等)
体力のうち有酸素運動能力が向上したらこんなことが起きます。
このことの副産物として脂肪燃焼効果が期待できるわけです。
決して
有酸素運動=脂肪燃焼運動
と誤解しないでいただきたいのです。
体力づくりとして有酸素運動を見て、
有酸素運動が習慣化された、3か月後くらい(人によってはもっと先かもしれません。逆に2週間くらいでできる人もいるかもしれません。)に20分程度できていれば大成功なわけです。
有酸素運動=脂肪燃焼運動=20分以上継続する運動
と偏った見方をすると3分間のウォーキングマシンでのウォーキング、バイク、ランニングは有酸素運動とみなされません。
有酸素運動を「有酸素運動能力を高める」運動とみれば何分から始めてもいいわけですから、ジムに来たお客様には
「20分も時間がないから筋トレだけにしとく」という方には
「3分だけしてみませんか。そして、3分を超えてはしないと決めて1週間続けてみませんか。」
と勧めていました。
3分間お客様のそばについて、器具の使用方法を説明しながらバイク、ローイングマシンなどを使っていただくと「はい、3分終了です」となります。
ほぼ100%「えっ、もう終わり?」と返ってきます。
この時「必ず3分で終わる」ことがとても大切です。
3分で終わると
・「3分はそんなに長い時間ではない」
・「もっとできそう」
と感じるようです。
そして、1週間を待たずに
「3分/日を1週間といわれたけれど、3日目の今日は10分してみていいですか?」
となります。
決まって私は
「焦らず、3分/日を1週間つづけましょう。今週は3分を超えてしないようにしましょう。今日3分間して、初日の3分間とどう変わっているか観察してみてください。来週から10分にしてみましょう。」
と答えます。
この方が3回/週、運動をしにジムに来られる方なら3回目くらいの有酸素運動時には
「初日に比べ3分を短く感じた。しかも、楽になってる。」
となっています。
この、自己肯定感がその後の継続を決めていくと経験上信じています。
もし、私が
「有酸素運動は20分以上が効果的です。最低20分はバイクを漕ぎましょう。」
と伝えたらどうなるでしょう。
ジムに入会したばかりでジョギングやウォーキングの習慣がない方だったら、
「えっ、20分も。きつそう。でも、きつくないと効果ないよね。初日から飛ばしていかないと。」
と思ってしまうのではないでしょうか。
ずっとアシストしているわけではないので、この方に
「今日は何分しましたか?」と帰り際にお尋ねすると
「30分しました。きつかった。くたびれました。」
と半数の人は答えます。
何も決めずにスタートすると
「きついところまでしないといけない(効果がない)」
「きつくなったらやめる」
「できるところまでやる」
となりがちです。
「3分って意外と短いな」
「3分だったらできそうだ」
「3分ってきつくなくなった」
「来週5分できそう」
と最初の1週間で感じるのと
「30分頑張ったけど、きつかった」
「よく頑張ったけど、この先続けられるかな」
「翌日、かなりの筋肉痛だった。1週間我慢すれば筋肉痛は取れるだろう。」
と感じるのは、どちらが楽しく運動できるでしょうか。そして1年後、5年後、10年後と継続している可能性が高いのはどちらの方でしょうか。
誰でもこの方法が当てはまるわけではないようですが、試したことがない方は
「●●する。●●以上しない。」を試してみてください。
3か月後、半年後、1年後…と目標達成に向けた心に余裕が持てると思います。
ではまた、明日のブログで。