Hayama Ranのブログ

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「しない」を「する」に変える 2

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「しない」を「する」に変えてうまくいった例がケリー氏の著書で紹介されています。

 

 ケリー氏の「意志力の講座」の受講生の例です。

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・「遅刻しない」という目標を「一番乗りで到着する」「5分前に到

 着するに置き換えた。

・目標通りに到着したら「レースに勝った」と思うようにした。

            ⇩

        めったに遅刻しなくなった

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「遅刻しない」という目標も「一番乗りで到着する」という目標も結果的には同じ目標ですが、「遅刻しない」には遅刻が頭から離れなくなってしまう危険性があります。「一番乗りで到着する」には禁止の言葉がないので、実際に一番乗りしたら、何か誇らしい感覚がありそうですよね。

 会議や飲み会(今はなかなかいけませんが…)、フィットネスクラブでのレッスンなどで応用したいですね。

 

 

食べ物から離れますが、こんな過酷な(喫煙家にとって)実験も行われたようです。

フィットネスとは関係ないかもしれませんが、もしあなたがどうしてもやめられない食べ物(チョコレート、プリン、チーズケーキなど)や、行動パターン(コンビニでつい買ってしまうスイーツ、夕食後のアイスクリームなど)は参考になるかもしれません。

 

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ワシントン嗜癖(しへき)行動研究センターの研究科学者

 セアラ・ボーウェン氏の実験

 

・参加者:12名の禁煙はしたいけどなかなかやめられない喫煙者

・実験前の12時間は、禁煙の指示

 ※実験時に吸いたい欲求を高い状態にするため

・好きな銘柄の未開封のタバコを持参する

掲示物なし、窓は外が見えないようにふさがれた殺風景ない会議室

 に、全員が壁に向かって座る

・お互いの顔を見ることはできない

・実験中は、会話禁止

・持ち物(スマホや飲料、雑誌など)はすべてしまう

・ボーウェンの質問に答えるための紙と鉛筆が配布

           ⇩

 第一グループ(6人)への指示

 欲求の波を乗り越えるテクニックをアドバイス

 ・タバコが吸いたくなったら無理に他のことを考えようとしたり打

  ち消さない

 ・吸いたい気持ちをじっと観察する

 ・衝動というものはこちらがそれに負けようと負けまいといずれ去

  っていくと説明

 ・強い衝動を感じたときには頭の中で大きなうねる波を思い浮か

  べ、やがて砕け散り、消えてしまうとイメージする

 ・自分がうまく波に乗って、波に抵抗せず呑まれることもない自分

  を想像する

 そして、実験中、この欲求の波を乗り越えるテクニックを試すよう

 アドバイスする

 

 第二グループ(6人)への指示

 特になし

 

           ⇩

実験開始

ボーウェンの指示

①(未開封の)タバコの箱を手に取って眺めてください。

       数分置く

②箱をたたく(タバコを取り出しやすくするための喫煙者の習慣)

       数分置く

セロファンをはがして開封

       数分置く

④箱を開ける

       数分置く

⑤開けたてのタバコの匂いを嗅いで深呼吸をして1本取り出し、匂いを嗅ぐ

       数分置く

⑥煙草を口にくわえる

       数分置く

⑦ライターを取り出し、タバコに近づける(火はつけない)

実験終了 所要時間1時間30分

           ⇩

指示

全員に、次の1週間、

 ・タバコを吸った本数を毎日記録

 ・タバコを吸いたい衝動がどの程度だったか記録

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結果が知りたいですよね。

ちなみに、

ボーウェン氏が最後に1週間の記録の宿題を出したときには、「タバコを減らしましょう」とか「欲求を抑えるテクニックを明日から応用してみてください」とか一切伝えなかったそうです。

 

第一グループ

 実験直後24時間:喫煙量に変化なし

 1週間の経過:

   ・2日目からタバコの量が減っていった

   ・7日目になって喫煙量が37%減っていた

   ・気分がむしゃくしゃしてせいでタバコを吸うことがなくなっ

    た

   ・ストレスでいつの間にかタバコに火をつけてしまうことがな

    くなった

さて、

第二グループはどうなったでしょう?

 

第二グループ

 実験直後24時間:喫煙量に変化なし

 1週間の経過:

   ・喫煙量に変化なし

 

という結果だったそうです。

おそらく喫煙している人にとってはかなりきつい「拷問」のような実験だったことでしょう。

 

実験模様を別室で観察していたとしても全員同じ実験をしていたわけです。

ですが、

「自分の欲求や衝動を冷静に見つめる」という心の中の作業(言い変えれば、ちょっとの時間でできる心のトレーニング)をしただけでその後の行動が変わってしまいました。直後には現れず、徐々に効果を発揮しているのは驚きです。

 

この実験参加者の1年後、2年後の経過までは記述がありませんが、一度自分の心の観察ができるようになった人は、忘れることができないのではないでしょうか。自転車に乗る技術を忘れないのと同じだと思います。

「自分の欲求や衝動を冷静に見つめる」をマスターしたいですね。チョコレートやお菓子、脂肪たっぷりの総菜などで、食べたくなったものを「だめだよね」と思わず、

・買い物かごに入れる

・でも最後には商品棚に返して買わない

なんて自分を試す実験をしても面白いかもしれません。

 

テーマからかなり離れてしまいましたが、今日はここまで。

また明日のブログで。