自分のストレスマインドセットを変える3
昨日燻製を作りました。
チップは、知人からいただいたヒッコリー。
チップの違いはあまりわからないのですが、今回うまくできました。
3分薫製して、裏返して3分、計6分間の燻製です。
このままではまだ中身は生で食べられません。
この後ジップロックに入れて沸騰して止めた直後のお湯に付けます。
今回は4時間くらいおきました。それで出来上がりです。
程よく香りがついて、中がしっとり。
1週間くらい、楽しめそうです。
ケリー・マクゴニガル氏の著書
の内容をブログに書いていますが、
昨日の続きを書いていきます。
もくじ
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最後の追跡調査
アイビーリーグ名門大学でのマインドセット介入実験の最後の調査をご紹介します。
この介入実験を行ったウォルトン氏らは卒業時に、1年生の時に実験に参加した学生に最後の追跡調査を行っています。
「1年生の時に介入実験に参加したことを覚えているか」という質問をしました。
- 79%の学生たちはなんらかの実験に参加した覚えがある
と答え、どんな内容だったか覚えている学生は8%だった
ということです。
ここにマインドセットの素晴らしいところがあるとケリー氏が次のように述べています。
それこそが、マインドセットの科学の最も素晴らしいところだと思います。考え方が定着してしまえば、あとはがんばらなくても良いのです。意識的になにかを実行したり、毎日心のなかで、ああでもないこうでもない、と悩んだりする必要もありません。新しいマインドセットに出会うと、それが自然と定着して、自分のものになっていくのです。
………………
マインドセットが変わると、ポジティブな変化が起こり始め、それがずっと続くのです。
忘れられてしまう
マインドセット(=考え方の方向性を変えること)は実験の結果から、長期にわたって影響を及ぼすことがわかりました。そして、マインドセットの介入を行われたことさえ、ほとんどの人が忘れてしまうこともわかりました。
多くの学生がどんな実験に参加したかを忘れているということは、実験に参加した学生自身は、マインドセットによって自分の身にどんなに人生に有益なことが起きているかわからないことになります。
「あのマインドセットがなかったらここまで成績を伸ばせなかった」
「あのマインドセットのおかげで健康に4年間過ごすことができた」
とは思わないわけです。それほど忘れられてしまうようなきっかけながら、ウォルトン氏などによって調査をすればその効果がはっきり目にみえてきます。
おそらく、
「1年生の時のあの実験で、良い成績になったんですよ」
「健康にこの4年間を過ごせたのですよ」
と誰かに言ってもらって、この学生たちに伝えたとしてもそれだけでは信じないでしょう。
学生たち自身がマインドセットによって変わったことを自覚していないわけですから、マインドセットを受けていない学生や、マインドセットそのものを知らない人は、なおさら「そんな作り話のようなことあるわけない」「バカバカしい」と思ってしまうようです。
研究者の予想をはるかに超えた成果を上げたときですらです。
その例が紹介してあります。
ハイスクールでの介入実験
テキサス大学オースティン校の心理学者デイヴィッド・イェーガー氏はマインドセットの研究者です。彼はこんな実験を行なっています。
実験
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目的:人間は大きく成長できるという考え方「成長思考」を教える
対象:
- サンフランシスコのベイエリアで2番目に収入の低い地域のハイスクール(9年生〜12年生、14歳〜18歳)の最初の学年9年生から無作為に選んだ120名
学校の状況
- この学校はいくつかの科目において、カリフォルニア州で最も学力が低かった
- 約4分の3の生徒たちは家庭が貧しいため、給食が無料で支給されていた
- ギャングと関わりのある生徒も多かった
- 40%の生徒は学校で身の危険を感じると答えていた
⬇︎実験開始
- 短い研究論文を読ませ、いくつかの重要な考え方を紹介した
- 将来のあなたは、今のあなたと同じようになるとは限らない
- あなたが今、人からどんなふうに扱われていようと、どんな人だと思われていようと、あなたが実際にその通りの人間であるとは限らないし、将来そうなると決まっているわけでもない
- 人間の性格は、だんだん良い方に変わることができる
⬇︎つぎに
- 上級生たちが「自分は変われるんだ」と実感した経験を一人称で綴った文章を読んだ
⬇︎最後に
- 「人間は変われるんだ」と思ったできごとについて書く(他人のことでも良いし、自分自身の経験でも良い)
⬇︎学年終わりでの結果
介入実験に参加した生徒は参加しなかった生徒に比べて
- 生活の様々な問題に対して以前より楽観的になり絶望しなくなった
- 健康問題が少なかった
- うつ状態になる割合が少なかった
また、
- 介入実験に参加した生徒の81%が9年生の幾何の単位を取得できたのに対し、介入実験に参加しなかった生徒は58%の生徒しか取得できなかった
- 介入の効果によって成績が最も向上したのは、介入によってマインドセットが最も大きく変化した生徒たちで、この生徒たちの学年初めのGPAスコア平均値=1.6(C-)だったが、学年末には2.6(B-)に上がっていた
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マインドセットの実験として、素晴らしい効果が出ています。
ところが、実験の途中でその学校の体育教師がイェーガー氏に対して
「どうしてわざわざこんなところへ?小学校にでも行けば良いのに。こんなことしたって、こいつらには遅すぎるよ。時間の無駄だね。」
とわざわざ言いにきたそうです。
マインドセットというものに対して、「1回の、しかも短期間で変わるわけがない」「そんなのは現実的にはなんの役にも立たない」とかたくなに信じない人の発言です。
このような大きな成果が得られた実験結果を示されると、学校側も先生たちも生徒に対する見方が大きく変わると思われます。
ところが現実的には、状況は変わらないことが多いようです。この本には次のように書かれています。
イェーガーは介入を行った学校の教師たちには、必ず実験データを見せます。彼は教育に熱心で、研究者になるまえはオクラホマ州タルサのミドルスクール(中学校)で英語の教師をしていました。介入を行った学校には引き続きマインドセット介入を行えるように、必要な教材を提供するのですが、残念ながら多くの学校は次の段階へ進もうとはしません。イェーガーによれば、たった30分の介入で人生が変わるなんて、多くの人にとっては信じがたいのです。
「信じられない」ということがマインドセット介入に対する大きな問題点だとケリー氏は指摘しています。
今日は長くなってしまいました。続きは次のブログで。