Hayama Ranのブログ

読んでメリハリボディをつくる

ストレス

前回まで、「人生を変える運動の科学」をかいつまんで解説や私見を書いてきました。

今日からテーマにしている本が

 

 に変わります。

 

この本は、私が最初に手(耳)にしたオーディオブック「人生を変える教室」が、仕事上とても役立ったためでした。

レーニングの指導をジムで行っていましたので、来られるお客様は女性のお客様なら9割はシェイプアップが目的です。

「人生を変える教室」は、行動(食、運動等)を変えたい、と来られている方にとって必要な情報がもりだくさんでした。私自身の啓蒙を期待して購入したわけですが、あまりに仕事に深く結びつく内容だったため、次に出た、この「ストレスを力に変える教科書」も期待して購入に至りました。

 

もくじ

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イントロダクション

この本のイントロダクションは、ケリー氏の反省から始まっています。

ケリー氏は健康心理学者です。ストレスについて言及する機会は科学や生物を研究する人に比べれば非常に多いことは想像が容易です。

ですが、

ストレスについてケリー氏が考えていたことー社会に伝え続けていたことーが一変するような研究結果が発表されました。

 

この研究を見て、ケリー氏は大きく動揺してしまいます。

 

2つの質問

ケリー氏を動揺させてしまった研究とはどのような研究だったのでしょうか。研究結果に進む前に次の質問に答えてみてください。

この本のイントロダクションの最初のページはアンケート式の質問からから始まっています。

その質問にあなたも答えてみてください。

 

 ストレスについてどう思うかを簡潔に表すとしたら、あなたにはどちらの表現がしっくりきますか?

 

A ストレスは健康に悪いから、なるべく避けたり減らしたりして管理する必要がある。

B ストレスは役に立つから、なるべく受け入れて利用し、うまく付き合っていく必要がある。

 

 私は、Aを選びました。あなたはどちらを選びましたか。ケリー氏も「5年前だったら、私は一瞬も迷うことなくAをえらんだでしょう」と述べています。(2015年11月1日第1刷発行)

 

 さて、ケリー氏が動揺した研究結果とは?

 

驚くべき研究結果

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研究

  • 1998年 アメリカで3万人の成人を対象とする調査
  • 参加者に2つの質問

       ・この1年間でどれくらいのストレスを感じましたか? 

       ・ストレスは健康に悪いと思いますか

  • 8年後、3万人のうち誰が亡くなったかを住民情報等によって追跡調査

         ⬇︎結果

  • 強度のストレスがある場合

   ストレスが体に悪いと考えていた人→死亡リスクが43%高まっ

                    ていた

   ストレスは健康に悪いと考えていない人→死亡リスクの上昇は

                      みられなかった

   ※強度のストレスがある+ストレスは健康に悪いと考えていな

   い人たちが参加者の中で最も死亡リスクが低かった。ストレス

   がほとんどない人たちよりも死亡リスクが低かった。

          ⬇︎研究者たちの結論

  • 人はストレスだけでは死なない
  • ストレスを受ける」+「ストレスは健康に悪いと考えていると死亡のリスクが高まる
  • 推定で、「ストレスは健康に悪い」と思い込んだせいで、寿命よりも早く亡くなった人の数は、その8年間で18万2,000人にのぼった

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ケリー氏が動揺したのは、彼女が「ストレスは体に悪い」とそれまで力説したきたからです。

そして、その反対のことーストレス緩和の方法ーをエアロビックダンスやヨガの指導で、ケリー氏自身が身をもって伝えています。実際にストレス緩和に役立っているからです。

ところが、彼女の力説のおかげで、ストレスを緩和できた人より亡くなった人の数が多かったら、害の方が大きいことになります。

 

かなりショッキングな出来事だったようで、「いっそのこと、この研究は見なかったことにしようかとも思った。」責任を感じて「どうしよう」と正直に述べています。

 

すぐに立ち直り、「今まで『ストレスは有害だ』と考えていたことを考え直すいい機会だ」とこの本を書くに至った経緯をイントロダクションで述べています。

 

さて、

ストレスは健康に悪いと思い込んだ場合に限ってストレスは有害になる」と研究は結論づけました。

裏を返すと「ストレスは健康に有益だ」と考える人になれば死亡リスクが減るということになります。さて、本当に死亡リスクは減るのでしょうか。また、そもそもストレスとはどのようなものでしょうか。

 

次回以降、ストレスに関する私たちの思い込みを覆される事例や実験をご紹介していきます。

 

本日はここまで。