このブログは読まないで! 2
対処法に進む前に、もうひとつケリー・マクゴニガル氏は重要なことを、その著書
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で述べています。
それは、この実験(※昨日のブログ参照)で、
「何かを考えないようにするとかえってそのことが頭から離れないようになる」
と、大きな問題点があるというのです。
その問題点は
「頭から離れないのは、きっと本当のことだからに違いない」と思い込む危険性が高くなること。
私たちは自分の考えることには重要な意味があると信じています。ですから、ある考えがしょっちゅう浮かんで頭から離れなくなると、それは注意を払うべき緊急のメッセージに違いないと思うようになります。人間の脳は、もともとそのような認識の仕方をするようです。つまり、ある考えがどれだけすんなり頭に浮かんでくるかによって、私たちは物事が起こる可能性や信憑性を判断しているのです。
例をあげているのが、飛行機事故です。
いったん飛行機事故が起きるとメディアでは大きく取り上げられ悲惨さを見たら忘れることができません。
でも、
・飛行機事故にあう確率
と
・腎炎・敗血症(アメリカの死亡原因のトップ10以内の病気 2012年現在)で死亡する確率
は、
飛行機事故で死亡する確率は1,400万分の1なのに凄惨さを知って頭から離れませんが、腎炎・敗血症はもっと高確率であるのにもかかわらず症状や病名も知らない状態
とケリー氏は述べています。
危険性を打ち消そうとすればするほど、リアルに頭の中に再現され、あたかも、今度の自分の搭乗では、自分の身に起きてしまうかのように認識されるということです。
この本で紹介されている自殺の記述がありました。
シロクマ(※昨日のブログ参照)の実験を行ったウェグナー氏に女子学生から電話がかかってきて
「自殺のことばかり考えてしまう。」というのです。
ある時ふと、自殺という考えが頭をよぎって以来ずっと頭から離れないため、
「自分に自殺願望があるに違いない。そうでなければ、こう何度も頭に自殺のことが浮かんでくるはずがない。」
と思い詰めた心情を話しました。
ウェグナー氏は、
「ある考えを頭から追い払おうとすればするほど、かえってそれが頭にこびりついて離れなくなる。でも、それが真実であるとか、重要であるとは限らない。」
と話をして、女子学生は落ち着きを取り戻したとか。
「自殺」が頭に浮かんだ時に、それを必死に頭から追い払おうとしたから「自殺」という考えが頭にこびりついただけで、本当に死にたいわけではなかったということでした。
神奈川県座間市の事件で亡くなった9人の方々の冥福をお祈り申し上げます。
もしかしたら、この9人の方々は、「死にたい」が頭にこびりついただけで、「死にたくなかった」のではないかと、何か悔しさのようなやるせなさを感じます。
少し暗くなりましたが、
どうしたら、この頭から離れなくなったものを、打ち消せるでしょうか。
いい解毒剤があるとのこと。
対処法は、また明日のブログで。
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