10分ルール
大学の授業で肥満の英語の論文をゼミの仲間で、翻訳したことがありました。
その中で肥満の食行動というものがありました。
肥満になりやすい人の食行動が、書かれてあったと思います。そして対処法も書かれていました。30年以上前の話です。
・お菓子は目につかないところに置く
→目についたら食べたくなってしまうので
・スナック菓子は小皿に取り分けて食べる
→袋を手にして「明日の分を半分残しておこうっと」といっても
「ながら食べ」するといつの間にか袋が空になってしまう。
また、小皿で食べると、小皿の量を食べ終わったときに満足感
がある(ただし袋は見えないところにしまう)
・TVは消しておく
→「ながら食べ」すると自分の食べた量を意識しにくい
などが書かれていたと思います。
当時は、ドーパミンという言葉は聞いたことがありませんでした。ドーパミンが作用しているという原理はわからないものの、ある程度うまくいく対処法も当時わかっていたようです。
現在では、研究が進み、
欲しいもの、食べたいものが視界に入ると(しかも近ければ近いほど)ドーパミンがたくさん放出されることがわかっています。その影響は、目の前の欲しいもの、食べたいものにかかわらず及ぼされるということをこの本で学びました。
ケリーマクゴニガル氏は
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大昔の本能と結びつきの強い脳の「報酬システム」と
比較的新しい「前頭前皮質」(本能の欲求を抑えたりコントロールする)の関係を報酬という言葉を使って表現しています。
目の前にあるドーナツ5個 = 目先の報酬
目の前にはないが1時間後に手に入るドーナツ5個 = 将来の報酬
本能的な「報酬システム」は目先の報酬には素早く反応し、将来の報酬にはほとんど反応しない。
また、目の前にあってもすぐに手に入らないルールを作ると、目の前の報酬に対しての反応が下がり、将来の報酬に対しての反応がさらに鈍くなります。
というのです。
この本で提唱されているのは、10分ルール。
「うわ、このドーナツおいしそう!食べたい!(タバコだったら「吸いたい」、買い物だったら「買いたい」)」と思ったら
「食べてもいいよ。でも10分後にね。」
というルール。
前のブログで3分ルールというのがありましたが、この10分ルールを応用して短縮したものです。
おそらく10分には、理由があると思うのですが、この本に詳しい解説はありません。「3分で効果はないのか」とお客様に試してもらったところ、うまくいったようですので、私の場合は3分としてみました。
前述のとおり、目先にあっても「10分後の将来にしか手に入らない報酬」に自分自身が設定してしまうと、飛びついてしまうような欲求はなくなってしまうようです。
また視界から遠ざけたり見えなくすることも、かなり効果的です。
ある会社で行われた実験では
・キャンディの入った瓶をデスクの上に置いておく
・キャンディの入った瓶を同じデスクの机の引き出しの中に入れて
おく
としたところ、
キャンディの入った瓶をデスクの中にしまっておいた方が消費量が1/3に減ったとか。(※経費を1/3に減らせて、摂取カロリーも下げれますね。)
見えないことで報酬システムが作動しにくくなったようです。
裏返しに応用してもよいようです。
例えば、運動が嫌いだけど、健診で運動をすすめられたという場合には、
「10分間ウォーキングをする。10分以上しない。」
という具合にです。
「10分でもウォーキング始めましょう」とドクターに勧められるのと、
「ウォーキングするんだけど、10分以上しない。」
とを比較すると「10分以上しない」があると、ハードルが低くなったように感じます。
運動でこの「裏返し」の方法を試してみると、10人中8-9人はルールを守りません。ハードルが下がった分、「10分過ぎればやめていいんだ」気持ちが楽になり、10分が短く感じて15分、20分としてしまいます。
運動嫌いでこのブログを読んで下さっている方は、ぜひ試してみてください。
10分ルールにはレベルが設定できます。
・「…しない」方では10分我慢したら、さらに10分に挑戦してみる
→20分我慢しても欲しかったら食べる
・「…する」方では同じように、さらに10分に挑戦してみる
→20分でやめたかったら終了する
必ず「食べる」「やめる」でルールを作っておいてくださいね。
我慢する方では時間をクリアして食べたかったら食べれます。
運動では、決めた時間で終わってもいいです。
少しの時間我慢したら食べれるし、少しの時間我慢して運動したらやめれるわけですから、気楽にそれぞれをスタートできますよね。
是非、試した感想、うまくいかなかった感想などをコメントしてください。
ではまた、明日のブログで。
本日の写真のrip:60興味がある方は以下を参照ください。