運動と音楽 4
音楽の紹介をするとブログのページが華やかになりますね。
今日も少しだけ紹介してみます。
ケリー・マクゴニガル氏の著書
に音楽と運動に関するエピソードで病気やケガに触れているものがありました。
興味深かったのでそのエピソードに触れてみたいと思います。
今日はこんな風に進めてみます。
もくじ
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パーキンソン病患者のための運動
私が「パーキンソン病」という病名を初めて聞いたのは、提携していたデイサービス施設に来られていたTさんという男性が来られて時
です。
介助の人と一緒にジムに来られていたTさんは、あまり表情が変化せず、言葉もあまり交わすことがなかったように記憶しています。また、脚を前に出せなかったり、一度前に足を出すと、バランスが取れずに前に倒れそうになり、介助の人のサポートで倒れないよう支えてもらっていました。
ジムの鏡には手すりがついていましたので、手すりにつかまっての腕立て伏せ、スクワット、ランジ、カーフレイズ(ふくらはぎの運動)等を椅子なども使って安全第一で行っていました。
この本の中では、元コンピューター技師の75歳の女性のミリアムさんという女性の話が紹介されています。
- 診断は2015年
- 症状は前年のウォーキングツアー参加の時に出ていた。初期症状の「動作緩慢」のせいでみんなのウォーキングのペースについていけなかった。その時は、「疲れていて、気温も高かったからだ」と思い込んでいた。
- 医者から、病気の進行を抑えるために1日2時間の運動をすすめられた。運動はカラダを動かすものなら何でもよかった。
- 運動を始めるためYMCAに通い始めた。
- YMCAでキャリステニクスという自重トレーニングに参加していたミリアムさんは、インストラクターが用事のためその場を離れた際、BGMでブロードウェイミュージカル「エビータ」の「ドント・クライ・フォー・アルゼンチーナ」を耳にする。
- 思わず歌を口ずさみし始めた。
- ミリアムさん自身が、歌いながらトレーニングした方が体が滑らかに動くのがわかった。
また、
- 健康フェアで「パーキンソン患者のためのダンスプログラム」に申し込んだ。
- レッスン当日ミュージカル映画「ウエストサイドストーリー」の1曲が演奏された。
- レッスンの間中、カラダが軽やかに楽に動くのを感じた。
- カラダが音楽に反応して、不安や恐れが和らいで、自信が湧いてくるのを感じた。
と述べられています。
ちなみに「ドント・クライ・フォー・ミー・アルゼンチーナ」は
↓↓↓この曲です。
ミュージカルが大好きだったのでしょうか。
それともこの曲が大好きだったのでしょうか。
感情移入するような歌詞だったのでしょうか。
また、ミリアムさんがこの曲を初めて聴いたとき何か素敵なことがあったのでしょうか。
エビータの生き方と重なる生き方をしてきたのでしょうか。
…………………
そんなことを思いながら、音楽が持つ、カラダを動かす力の偉大さに感心させられました。
パーキンソン病とは
私も詳しくはないのですが、この本に症状が紹介してあります。
- 歩く速度が遅くなる
- カラダが震える
- 他の筋肉同様、表情をつくる筋肉も動かしにくくなり、仮面をかぶっているような無表情な顔つき(仮面様顔貌 かめんようがんぼう)になる
- 仮面様顔貌になると何となく不機嫌な印象を与え、あまり知的で幸福そうに見えないとか付き合いにくいと思われがち
この情報を、2020年にこの本で知ることになって、Tさんのことを思い出しました。当時(2015年頃)ここで紹介したような音楽のパワーを知りませんでした。口ずさめるような好きな曲をおたずねして、運動の際に流してみたら違っていたのかもしれないといまさらながら悔やまれます。
介助の人からは、支えてあげないと倒れてしまうといった症状は聞いていたものの、感情はしっかり持っていて、顔で表現できないだけとは聞かされていませんでした。
Tさんと話をすると、私の顔がこわばっていたのを思いだします。Tさんの心の表情も実際の表情と同じと誤解してしまっていたからです。
今その誤解は解けました。
人を理解するのには、その人が持っている歴史や病気を理解する必要がありますね。
もっともっと勉強を積んで、いろんな人が理解できるようになりたいものです。
音楽や歌、音楽とつながった運動を通して、コミュニケーションする相手を理解できたら、これほど楽しいことはないと思います。
パーキンソン病に対しての音楽の効用は、
音楽が持つ動くことへの効用といってもいいと思います。
人間は死ぬまでカラダを動かしますから、死ぬまで音楽とは縁が切れないということでもあるかもしれません。お気に入りの音楽をいつまでも手放さないようにしましょう。そして運動習慣も手放さないようにしましょう。
明日は、大きなケガと音楽と運動について。
それではまた明日。