運動と音楽 3
最近、無線ランのルーターの調子が悪いようで、ブログの内容が更新できませんでした。
1日空いて本日の投稿となりました。
一昨日の続きです。
運動している人に影響を与える音楽。
運動も音楽も本能に結びついているわけです。
原始人にとっては、二つはもともと切り離せないものだったのでしょう。今でこそ、部屋で音楽を聴くことができるし、通勤のバスや電車でじっとしたまま運動と分離した状態で音楽を聴くことができます。
じっとしたまま聞くことができるようになって、鑑賞用の音楽も発達したのではないでしょうか。
運動と音楽の研究は想像以上に進んでいるものの、意外に身近で活用されているようです。
もくじ
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パワーソングとは?
ケリー・マクゴニガル氏の著書
にパワーソングという言葉が出てきます。
いったいどういうものなのでしょう?
昨日書いたブログに、
疲れ切って倒れこんでいたたくさんの兵士が、遠くで演奏され始めた太鼓とラッパの演奏を聴いて、立ち上がって歩き始めた
と書きました。その前後を見ていた人がいたなら、本当に強壮剤を飲んだり注射されたりしたのではないかと思うくらいの変貌だったのだろうと思います。
パワーソングというのは
疲れているところでもうひと頑張りできる、もう一度パワフルにしてくれる音楽、歌ということのようです。
前述の疲れ切った兵士たちのパワーソングは太鼓とラッパだったわけです。
どういうことが起きる?
この本の中に
「スポーツ医学研究紀要」の科学的レビューの著者たちは、音楽は合法な運動能力向上薬であると結論付けた。
という記述があります。
糖尿病と高血圧の人たちのトレッドミルで限界までの時間がが1分近く伸びた(昨日のブログ参照)例をみると、アスリートたちが応用しない理由はなさそうですね。
パワーソングの研究によってわかったことは、
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=「汗も、だるい疲れも、息苦しさもすべて、断固たる決
意や、不屈の精神や、スタミナの証だと思えてくる」
また、
限界の強度まで運動を行う体力テストを実施したところ
ロッキー3のテーマ「アイ・オブ・ザ・タイガー」を流すと、参加した人が奮闘し、やる気を高める効果が高いことがわかった。
多くのアスリートは英雄的なイメージを湧き起こす曲に反応する。
…
果敢な挑戦を描いた歌詞が不屈のファイターを連想させるところに、この曲のパワーがあるのは間違いない。
参加者たちの脳活動の計測記録では、
- 「アイ・オブ・ザ・タイガー」によって疲労感を意識しなくなったことで、最初の不快感を乗り越えたことがわかった。
(通常は不快感に襲われた時点でやめてしまう)
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中学校の時に体力テストで1500m走というのがありました。
とても苦しかったことを覚えています。スタートする前にドキドキしていたことを思い出します。
もし、「アイ・オブ・ザ・タイガー」がグラウンドで流れていたらタイムが縮んでいたかもしれません。
パワーソングを提供する人がいる
イギリスのブルネル大学のスポーツ心理学者、コスタス・カラゲオルギスはパワーソングを研究している第1人者です。「アイ・オブ・ザ・タイガー」の実験をしたのも彼です。
オリンピック選手やナショナルチームの選手、大学の運動選手らと協力して、トレーニングや競技会用のカスタムプレイリスト製作しています。
各地のロードレース、国際的な競技会の会場で流れている曲は彼が作ったパワーソングのプレイリストから選ばれた曲かもしれません。ロードレースに参加する人は、流れている曲を聴いて自分がどんな気分になるか観察してみると面白いと思います。また、スポーツのTV中継で競技中に流れている曲は戦っている選手にとってまた、観戦する人にとってどんな影響を与えているか、考えるのも楽しいと思います。
パワーソングは人それぞれ違うため、以下のように探していくそうです。
- 大好きな曲は何か
- いちばん好きなアーティストは
- なぜその曲やアーティストが好きか
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- アスリートをトレッドミルで走らせ、どの曲を流すと速度が上がるかを調べる
- 握力を調べる(疲れていても力を出せるのはどの曲かがわかる)
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パワーソングが見つかったときの反応は
- 頭を振り始める(リズムに合わせて)
- つま先を動かしてでリズムをとる
- 瞳孔が拡大する
- 体毛が逆立つ
………………。カラゲオルギスが探しているのは、アスリートが強い感銘を受け、精神的、生理学的な変化を起こす曲ーパワーソングなのだ。ときにはすぐに、これだ、とわかることもある。
「即座にリズム反応が表れるのです」カラゲオルギスは言った。たとえば、アスリートが頭を振り始めたり、つま先でトントンと床を踏んだりする。ほかにも、同行が拡大する、体毛が逆立つなど、生理的隔世の明確な兆候が表れる。つまり、アドレナリンによる興奮を引き起こす曲だとわかった。
ワイヤレスイヤホンなどが普及して、いろんなところで自分好みの音楽を楽しめる時代です。
この本の中で、パワーソングとして人気の曲とアーティスト名が紹介されていました。誰にとってもパワーソングになるというわけではありませんが、YouTube等で確かめて、カラダを動かすときの自分のプレイリストにしておくと運動の楽しみ方がひとつ増えそうです。