意志力が増減する 3
さて、
「自己コントロールを行う間に、正確にはどれだけのエネルギーを消耗しているか」を調べた人がいます。
その人は、
ペンシルベニア大学の心理学者ロバート・カーズバン氏です。
ケリー・マクゴニガル氏の著書
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では、
脳が自制心を発揮するために実際に必要なエネルギー量は、1分につきブレスミント<チックタック>の1粒の半分にも満たないと言います。
はて?チックタック?
あまり耳にしないメーカーですが、ウィキペディアながら調べてみました。
1粒0.49グラム-1.9kcal/粒
のブレスミントでした。
ということは、1kcal未満ということになります。
ウォーキングだと体重60㎏の人が4km歩くと約120kcal消費しますので、運動に比べればほんのわずかなエネルギー量です。
(単純計算で体重60㎏の人で100m歩くのに3kcal消費します。時速6kmの早歩きで約40分の運動です。1分当たり3kcalの消費となります。)
砂糖入りのコーヒーやチョコレートのカロリーで補うほどのエネルギーではなさそうです。
血糖値が下がったと言って、血糖値が0になるわけではありません。下がりすぎれば、気を失いますし、最悪死に至ります。
血液の中には、血糖値が下がりすぎて気を失うほどには糖が減っていなのにもかかわらず、自己コントロールが効かなくなってしまうとは一体どういうことでしょう?
ケリー氏の著書の中でこんな実験が行われたと書いてあります。
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サウスダコタ州立大学
行動経済学者 X・T・ワン
心理学者 ロバート・ドボルザーク
「脳はエネルギーをお金のように使っていて、エネルギーがたくさんあるときには消費するが、エネルギー量が減りだすと節約するのではないか。」
この考え方の検証実験
・19歳から51歳までの幅広い年齢層の65名の人に意志力の実験に参
加してもらう。
・第一回目の選択
実験参加の報酬として
翌日120ドル(今日のレートで約12,360円)もらう
1か月後450ドル(今日のレートで約46,350円)もらう
どちらか選ぶ
・実験前に参加者の血糖値を調べる
・1つのグループには砂糖入りソーダ、
もう一つのグループには砂糖なしのダイエットソーダをのんでも
らう
・ソーダ摂取後の参加者の血糖値を調べる
・第2回目の選択
実験参加の報酬として
翌日120ドル(今日のレートで約12,360円)もらう
1か月後450ドル(今日のレートで約46,350円)もらう
どちらか選ぶ
※ わかりやすく図で示すと
となります。
・実験結果
砂糖入りソーダを摂ったグループ
血糖値が実験前より急上昇
→1か月後450ドルの報酬を選びなおす傾向がみられた
砂糖無しソーダを摂ったグループ
血糖値が実験前より低下
→翌日120ドルの報酬を選びなおす傾向がみられた
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また、著書の中で
グルコース(血液中のブドウ糖)を検出する役目の脳細胞は、利用可能なエネルギーの有無をつねに監視しています。利用できるエネルギーの量が減ったのを感知すると、脳細胞は少し不安になります。もしエネルギーが足りなくなったらどうしよう?そのため、脳細胞は銀行よろしくエネルギーの使用を差し止め 、持っているエネルギーの使用を差し止め、もっているエネルギーをすべてためこもうとします。脳細胞は厳格なエネルギー予算を設けており、持っているエネルギーを使い果たすなど言語道断なのです。
それでは、まず最初に何が削減されるのでしょうか。そう、自己コントロールです。これは脳の活動の中で最もエネルギーを消費するもののひとつなのです。エネルギーを節約するため、脳はあなたが誘惑に打ち勝ったり、注意力を集中させたり、感情をコントロールしたりするために必要なエネルギーを十分に立与えようとしなくなります。
と書いています。
なるほど、脳の自制心を発揮するところ(=前頭前皮質)を優先的に配分エネルギー削減をする仕組みなら、当然、血糖値が下がってくると自制心がなくなるのもうなずけます。自制心がなくなり、
「1か月後450ドルもらおうと思ったけど、やっぱり、一か月も待てない。明日120ドルもらおう」
となったようです。
また、「血糖値が下がって、仕事に集中できない」と言って、チョコレートや砂糖で甘い炭酸飲料、コーヒーに砂糖を入れて飲むと元気が出て、集中力が増してくるのも納得いきます。
しかし、自制するのに必要な糖はそんなにたくさん必要ないということになります。
また、血糖値を急上昇させれば必ず急下降も起きて、そのたびに甘いものを摂っていたら、ダイエットや引き締まったカラダからは程遠い体になります。糖尿病や高血圧、心臓病のリスクも上がってきます。また、急激な血糖値の変化が続くとからだと脳が糖分をきちんと消費できなるなるようです。
エネルギーとして使えるのは糖しかない脳にとって、血糖値が低いからと言って、そんなにたくさんの糖は必要ないことがわかりました。また、糖をやみくもにとっても引き締まったカラダや健康的なカラダから遠ざかりそうなことも見えてきました。
それでは、どんな工夫が必要でしょうか。
続きはまた明日のブログで。
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