脳の報酬システム 1
なんか難しい言葉がでてきました。
わかりやすく説明したいと思いますが、うまくいくかどうか。
とにかく書いてみます。
脳の中の、実験の誤りから偶然見つけれた領域がこのように名付けられたようです。
人間でも、ラット(ネズミ)でも、この領域に電極を付け、自分で何回でも電気を流して刺激が入れられるスイッチが与えられると、おなかが空いているにもかかわらず、食べずに夢中になってスイッチを押し続けました。
当初、「電気が流れると快感が得られる」と考えられていました。
強い快感を繰り返すためにスイッチを押し続けていると。
ところが、人間の実験で
・もう少しで満足感が得られそうな気がしながら、とうとう最後まで
満足感が得られない。
・自己刺激(スイッチを押す)を入れてもあせるばかりで、少しも楽
しくなかった。
ということがわかりました。
偶然に見つけられたこの場所は
「報酬システム(報酬系)」
と呼ばれる領域でした。
報酬システムが電気で刺激されると、ドーパミンが脳全体に放出され「もう一度やれ!気持ちよくなるぞ!」と脳が言うのです。
でも、満足感が得られそうで、得られない。だから、満足感を得ようとまたスイッチを押すを繰り返していました。
実はちっとも満足感にはつながっていませんでした。
(食べたり、飲んだり、手に入れることによって興奮する領域は別のところにありました。しかも、満足感を得られることで興奮する領域が興奮した時には報酬システムは沈静化していたというのです。)
報酬システムの刺激は電気に限りません。
実は、
・レストランのメニュー
・ネット通販サイト
・テレビCM
・商品パッケージ
等、でも簡単にスイッチが入れられるようです。
スイッチが入ると、ドーパミンが放出され、脳全体に
・集中しろ
・もうすぐ手に入るぞ
と指令します。
神経が研ぎ澄まされ、敏感になり、欲望で頭がいっぱいになります。
欲望が満たされるなら、繰り返し、何でもしようという気になります。
この場所は、
大昔、木の実や獲物を見つけたら木に登ってあるいは狩猟して食べる、繁殖の相手を探すという、生きていくために不可欠な場所でした。
そして、現在までの進化したものこの脳の領域があったからでした。もちろん現代人にも備わっています。
(この領域を完全に壊したラットの実験では、砂糖を与えられると大喜びしますが、砂糖をもらう前から欲しがることがなくなったとのこと。)
何世代にもわたって、繫栄していくために大事な本能的なシステムというわけですね。
ケリー氏は自著の
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で
けれども、私たちが現在置かれている環境は、人類の脳が発達してきた大昔の環境とは非常に異なっています。一つ例をあげてみましょう。私たちが脂肪分や糖分の高い食べ物を見たり匂いをかいだりすると、ドーパミンが大量に放出され、そのせいでやたらと大量に食べたくなってしまいます。食料が乏しい環境においては、これは非常に役に立つ本能です。
しかし、食料があり余っているばかりか、ドーパミン効果を最大限に引き出すように仕組まれた環境では、ドーパミンが出るたびに衝動に従っていては、長生きをするより肥満になることまちがいなしです。
と述べています。
よく考えると、
・コンビニのドリンクコーナーへの通路、レジまでの戻りの「おいし
そう」をパッケージでアピールしてあるチョコやスナックのある通
路
・レジ付近でのおいしそうな揚げたてのから揚げの匂い
・離れたお店の外でもわかる焼きたてパンの香り
等、ドーパミンを放出させるスイッチが世の中てんこ盛りですね。
しかも、知らないうちに本能に刺激を入れてくるから、厄介です。(コンビニのレジ前で、息を止めるわけにはいきませんもんね。)
ドーパミンを出さない方法はないようですが、ドーパミンがいつ出ているか、なぜ出ているか、を観察してくと、「どうしても買いたい!」「どうしても食べたい!」という衝動が抑えられるようになってくるようです。
長くなりそうなのでこの辺で。
続きは、次のブログで。